骨伝導イヤホンAftershokz Openmoveを買いました
【おことわり】企業案件ではありません。金くれ
ちぺらです。お久しぶりです。今回は音楽を聴きながら交番の前を自転車で通ってもビクビクしないで済むような商品のご紹介です。こちら!
my new gear... pic.twitter.com/EKKBk4rOmc
— ちぺら (@cipher_413) 2020年11月22日
ワイヤレス骨伝導イヤホンです。耳に刺さないのにイヤホンなのかどうかは議論があるかもしれませんが知ったこっちゃない。それでは数時間使ってみて思ったことを挙げていってみましょう。
・音漏れ
意外にも音漏れはほとんどしません。静かな部屋で耳から外してみても、常識的な音量であれば20cmも離れれば鳴っているかどうかすらわからなくなります。そもそもアウトドア用イヤホンなので電車内のような音漏れを気にしないといけないようなシチュエーションで使うことはないでしょうし、十分及第点でしょう。
・音質
カスです。骨伝導である以上、これはどうしようもありません。ピュアオーディオ仕様の頭蓋骨に産んでくれなかった親を恨むしかないですね。Openmoveに限らず、Aftershockzの店頭デモ機は謎のヒーリングミュージックしか流せなくなっていますが、音質の悪さを悟らせないためにああしているのかと邪推するぐらいのカスっぷりです。外の音が聞こえるのとトレードオフと思うことにしましょう。
・装着感
襟の高い服を着ていると後頭部のループ部と干渉することがありますが、多少イヤホンをずらせば解消できるので気にするほどでもありません。眼鏡との併用も問題なくできます。音量を盛りすぎると振動子のあたりがなんとなくむずむずしてくるので、音量は控えめに。
・その他
公式スペックではSBCコーデックのみ対応となっていますが、非公式ながらAACにも対応しているようです。高音質コーデック対応してても意味ないやろ…(小声)手持ちのHidizs AP80とペアリングした際には、DAP側でSBCを指定してやらないとペアリングできないなど若干のクセがあります。
音質はそれなりではありますが、外音を聞きながら安全に音楽を楽しめるのは爆アドです。これからの外出のお供にしていきたいと思います。
自転車のワイヤ錠ホルダーを復活させよう
ちぺらです。いろいろあって更新を止めてましたけど久しぶりに初投稿です。
今回のお題はタイトルの通り自転車の鍵ホルダーの修理です。本来なら鍵をはめればカチッとロックされるはずのホルダーがぶっ壊れてしまったので、直してやろうというわけです。ぶっ壊れたというかロックに付いていたバネが錆びて折れてしまったので交換するだけですけど。なにぶん自転車買ったときに店のおっちゃんに頼んでつけてもらった鍵ですから、もう8年ぐらい経ってるので劣化は致し方なしといったところです。とはいってもTREKの名入りの鍵なので悪いものではないはずですが。
なお、これに気づかずにコンビニの前で二度ほど鍵を落としてしまい、通りがかりのJKに拾ってもらいました。つまり、これを修理するとJKとの出会いは失われてしまうわけですが、まあ仕方ないでしょう。
何はともあれバラします。プラパーツなので手でエイッとやれば外れます。
明らかにバネがはまっていたであろう突起だけがむなしく虚空を見つめてますね。というわけでバネを買ってきました。近所にデカいホームセンターがあるとこういう時助かりますね。
例の突起にバネをはめて、再びエイヤッとはめ直します。
これで完了。ちょろいもんだぜ!
あとは自転車に取り付け直すだけです。終わり!閉廷!
BROOKSの革サドルを矯正する
ちぺらです。お久しぶりです。本日は自転車のお掃除に伴って取り外したサドルを手入れしていきます。
BROOKSのサドルといえば、座面が革でできていて馴染むまでは三角木馬とかSM用品なんて言われてることでも有名ですが、実はこの「革が尻の形になじむ」というところが曲者でもあります。というのも、尻になじむとはすなわち革が変形していることに他ならないので、うまく手入れしながら馴染ませてやらないと型崩れしてしまうわけです。それではダメな例をご覧いただきましょう。
なんでこんなことになるか。まず一つ目はオイルケアを怠ったこと。革なので当然適度な油分が含まれている状態が一番いいわけですが、最初のうちは楽しくできるオイルケアもだんだんおっくうになってくるわけです。そうすると革の強度のバランスが崩れて型崩れしてしまいます。もうひとつは革のテンション管理を怠ったこと。このサドルに限らず、BROOKSのサドルには裏に革の張力を調整できるテンションボルトがついています。これを回して凹んできた座面を定期的に張り直してやらないといけないのですが、専用レンチがないと回せないところにボルトがあるのでこれが結構面倒で、ついやらないまま放っておいてしまうわけです。こっちの方が原因としては大きそう。
うだうだ言ってても型崩れは治ってくれないので修復を試みます。かしいでしまった頭をゴムハンマーでぶっ叩いて多少なりとも曲げなおし、座面は当て布をして結束バンドで縛り上げてみます。
ちなみに縛り上げてからハンマーで叩いたら衝撃で結束バンドがちぎれ飛びました。気をつけましょう。しばらくこのままで様子を見て、また結果を報告します。
二つ折り財布をつくる 後編
ちぺらです。今回は全てを合体させて財布を誕生させます。
まずはインナー部のベースとなる革を角度をつけて背中合わせに貼り合わせ、余計な部分を切り落とします。内側はこのあと手が入れにくくなるのでついでにオイルアップしておきます。
すでに完成しているカードポケットと小銭入れをあてがって接着するところをナイフで荒らします。外周はこのあと2mmほど切り落としていくので余裕をもって5~6mm程度の幅を見ておきます。小銭入れはスナップを閉じたままケガいた方がよいです。ちなみに全面ベタで接着してしまうとカードポケットが二つ減るのでやめましょう。それでもいいよって人は別に止めはしませんけど……
さて、インナーでやることが全て終わってしまったのでコードバンに手を付けるときがやってきました。今回購入したコードバンはちょっと厚いので、まず厚さ1mmぐらいに漉かないといけません。というわけでカンナで漉きまくります。
ノギスとにらめっこしながら厚さ1mmを切るぐらいまで薄くしていきます。あ、革包丁で漉くときと同じで切れ味がモノを言うので刃はキンキンに研いでおきましょう。漉き終わったら型紙どおりに切り出します。
完成した財布の外周部はコードバンと同色で染色する予定なので、どんな具合か確かめるのにコードバンのはぎれと余った革を数枚貼り合わせてテストピースを作りました。もともとコードバンはヌメ革に比べて繊維が密に詰まっているので普通に水で磨いただけで簡単にコバが光りますが、染料を入れるとどうなるかはわからなかったのでこれで試験しながら本番に臨みます。ちなみに染色→磨き→コーティングまで済ませたものの断面がこちら。
革そのものというより合わせ目に染み込んでいるようです。コバは染みるというより表面がわずかに染まっているという感じ。なのであまりペーパーで磨くとすぐ色落ちしてしまいそうですね。
アウターは財布の開閉動作を支障しないように外周のみ接着します。これも組み上げてから最外部を切り落とすので適度に余裕を見てのりしろを取ります。今回は10mm弱とりました。
インナーとアウターを接着すると一気に財布の形が見えてきます。
外縁から5mmの位置にラインを引き、表から菱目打ちとか菱キリを打ち込んで下穴をあけていきます。縫い代が分厚くなっているので、ちょっとでも気を抜くと裏で縫い目が盛大に蛇行してしまうので気を張って作業します。ちなみにぼくは蛇行しました。人様に差し上げる財布なのにね。縫い上げたら外周から2mmの位置で余分な革を切り落とします。
切り落とすときは財布を広げて作業しますが、折り曲げ部は定規がうまく当てられないのでナイフや目の粗いサンドペーパーで削り落とすなど工夫しましょう。形を整えたら320番ぐらいまでサンドペーパーで磨いて下地処理をします。
ここからが今回のもう一つの目玉、コバの染色です。今回使用した染料はクラフト社のクラフト染料の紺です。最初はわずかに水で薄めた染料を筆で乗せていきます。
一通り全体を染め終わったら原液を直接乗せていき、半乾きぐらいでスリッカーで磨きます。磨くとヘリの部分などから少しずつ色落ちしていくので、何度も何度も塗り重ねていくと重厚な仕上がりになります。不要な部分に染料がつかないように注意しましょう。
染色が終わったらコバスーパーでコーティングします。染料と同じく筆で全体に塗り、20~30分ほど乾燥させるのを繰り返します。瓶の説明書きには3回塗り重ねるようにとありますが、今回は6回ほど塗り重ねてから2000番の耐水ペーパーで表面を整えたあとにもう一度塗り重ねるようにしてみました。プラモのデカール研ぎ出しみたいな感じです。ただ少々光沢が強くなりすぎたかな?
以上で完成です。
自分以外の人のためにレザークラフトをするのは初めてでしたが、果たして合格点をもらえるでしょうか……?
二つ折り財布をつくる 前編
ちぺらです。今回からは依頼を受けた例の二つ折り財布を作っていきます。
前回の長財布同様、今回もこちらの型紙をパク……参考にして製作します。型紙を起こす能力がないとかそういうんではなく時短です。時短のためです。ただし、カード入れを4つから5つに増やしてほしいという要望があったためそこは少しいじっています。詳しくは後述します。
まずは革を切り出しましょう。推奨厚みは0.8mmとなっていますが、1mmのヌメ革を使用しています。これは実測したら0.9mmぐらいしかなかったため。
次に型紙の指示の通りに革の端を漉き、ヘリを返します。よく切れる革包丁が必要です。切れ味が命なので、ちょっとでも刃先が鈍ったなという手ごたえがあればすぐ革砥で研ぎなおしながら作業します。試してはないけどカッターナイフでは難しいと思います。
ちなみに型紙をいじったのはこの部分で、飛び出している「耳」の部分の高さを原本より2mmほど短くしています。ただポケットの深さを深くするのを忘れたので後でポケット下部を縫い付けるときに下端ギリギリで縫わないといけない羽目になりました。それでもカードの頭が1mmほど飛び出ることになってしまいましたが、カードを取り出しやすくなったということで大目に見ましょう。
続いてこのポケットパーツを接着してカードポケットを作っていきます。
重要なのは「耳」の部分の上下をぴったりとくっつけること。ここに隙間ができると完成品にそのまま隙間が残ってしまい、えらくみっともないことになります。ちなみに右端がぴろっとはみ出していますが、この部分は前の工程で薄く漉いているので後からまとめて裏に折り返せば目立たなくなる上にコバの保護にもなります。もうひとつ、ここに限った話ではありませんが接着剤は可能な限り薄く均一に塗ること。右側はヘリ返しして見えなくなるのであまり関係ありませんが、左側のコバはそのまま完成品として外に出るので、ここで接着剤が薄く塗れていないとコバをいくら磨いてもきれいになりません。ちゃんと光るコバを作れるかどうかの戦いはここからすでに始まっています。
全てヘリを返したらカードポケットは完成です。全体にニートフットオイルなどの保革油を塗っておきましょう。この革に限ったことではないですが、ヌメ革は流通段階ではほとんどオイルが入っていません。なので作りながらこまめにオイルアップしておいてやると革の保護にもなりますし、エイジングもキレイに進みます。
次は小銭入れを作っていきます。指示通りにコインケースのパーツを接着して縫い穴をあけ、バネホックのオスを打ちます。
蓋の角はコンパスやディバイダを使ってケガくと中心に穴が残ってしまうので、コインを使うとうまくいきます。ここまで曲率が大きいと一度では曲線を切れないので、直線で何回か刃を入れてから凸凹をサンドペーパーでならしてやるときれいに仕上がります。
折り癖をつけたパーツを接着してやると箱型になります。
蓋側の縫い目が貫通していないので、ひとつひとつ菱キリで貫通させてから縫っていきます。上の写真でもやってますが、フチにかかる糸は二重に巻き付けておくと丈夫になります。縫いあがったら畳んだ時の折り癖をつけます。作業が終わってから知ったんですが、折り目のあたりを湿らせてから折り癖をつけると皺もよらずきれいに曲がるそうです。そういうことは先に言ってほしかったかなあ……
折り癖をつけるとオス側のバネホックが蓋に当たるので、その辺をぐりぐり指で押して現物合わせでメス側のバネホックの取り付け位置をマーキングします。マーキングを頼りに穴をあけてバネホックを打ち込みますが、メス側は打ち棒の切り欠き部とホック内部の鋼線を一致させるようにして打ってください。コツがわからなければハギレで練習しておくのがいいと思います。ちなみにぼくはメス側を一個つぶしました。
念のため練習しといてよかった~ pic.twitter.com/RxGK63LjS9
— ちぺら (@cipher_413) 2020年4月23日
蓋を閉じてみて問題なく閉まるようなら小銭入れの完成です。次回へ続く!
超小型キーボードBlocKeyをつくる・ソフトウェア編
ちぺらです。前回作ったBlocKeyに魂を吹き込むのが今回の目標です。
初めに言っておくと、ぼくのPCはWindows10 Proなので、macOSやLinux等々をお使いの方にはたいして役に立たない部分も出てきます。いやLinuxを普段から使ってる人はこんなとこ見なくても動かせるかな……?
何はともあれWindowsで自作キーボードにファームウェアを焼くために必要なものは以下の通りです。
・QMK Firmware
・MSYS2
・USBケーブル
ビルドガイドには「QMK Firmwareにファームがあるのでそれを焼いて完成です」と一行だけでサラッと流されているこの工程ですが、不慣れな初心者には途方もなく高い壁に感じられました。それでは奮闘のあとをご覧ください。
1.環境構築
まずはQMK Firmwareをダウンロードします。
github.com
ダウンロードしたら適当な所に展開しておきます。といってもあまり深い階層に展開してもいいことないので、Cドライブ直下とかでいいと思います。以降はC:/に置いたものとして話を進めます。
お次はMSYS2をインストール。
www.msys2.org
64bitOSをお使いの方はmsys2-x86_64-20190524.exeを、イマドキは少ないかもしれませんが32bitOSの方はmsys2-i686-20190524.exeをダウンロードしてください。落としたらウィザードに従ってインストールしましょう。インストールが完了するとMSYS2のシェルが起動します。
必要なものは全て揃ったので、まずはQMK Firmwareのビルドに必要なツールをインストールします。といっても、親切なことに先ほどダウンロードしたQMK Firmware一式の中にこれを自動でやってくれるスクリプトがあるので、それを実行するだけです。すでに起動しているシェルに、
$ cd c:/qmk_firmware-master
と入力して先ほど展開したディレクトリに移動します。違うところに展開した人はディレクトリの場所は適宜読み替えてください。移動したらさらに次のコマンドを実行します。
$ ./util/msys2_install.sh
実行したらしばらくほったらかして処理が終わるまで待ちます。途中いくつか質問があるので、AとかYとか、とにかく進めるほうを選んで回答します。それと途中に「このプログラムがお使いのPCを変更するのを許可しますか」的なWindowsからの警告も出るので、「はい」を選んで処理を進めましょう。すべて終了して再びプロンプトが出てきたら一旦MSYS2を終了して再起動します。以上でソースをビルドする環境が整いました。
2.ソースコードのビルド
これからやるのはキーボードとしての動作を記述したプログラムをPro Microが理解できる形に翻訳してやる作業です。といってもQMK FirmwareにはBlocKeyのソースコードが含まれているので、先ほどスクリプトに揃えてもらったツールでビルドするだけです。
まずQMK Firmwareのあるディレクトリに移動します。先ほどと同様に
$ cd c:/qmk_firmware-master
でOKです。ちなみにカーソルの上キーを押すとさっき入力したコマンドを再び出してくれるので大変便利です。ヒストリー機能とかっていいます。
移動したら早速ビルドしてみましょう。キーボード名はBlocKey、キーマップはデフォルトなので、
$ make blockey:default
何も問題がなければHEXファイルが生成されてファイルサイズが表示されるはずですが……ここからが長い長い地獄の始まりでした…
3.エラー潰し
シェルはマウスで選択してコピーができるので、エラーメッセージをGoogleにコピペして関連しそうなサイトを片っ端から読んでみるという作業を繰り返します。そうしているうちにおぼろげながらわかってきたことが。
r7cancer.hatenablog.com
なるほど、qmk_firmware-master/lib/lufaの中身が問題らしいなとわかったところでいざ自分の当該ディレクトリを覗いてみると……案の定何もないわけです。そりゃエラーも出るわけだ。
github.com
GitHubから落としてきたデータをディレクトリ構造に注意しながらエイヤッとlufaの中に入れてやると、このエラーは消えました。めでたしめでたし。
次です。もう一つエラーが消えていません。
/bin/sh: avr-gcc: コマンドが見つかりません
というやつです。名前からしてAVR向けgccなのでしょうが。もう一度msys2_install.shを走らせ直してみましたが解決しません。ならばということで一旦MSYS2そのものをアンインストールし、もう一回インストールし直してみましたがエラーが消えません。このへんでだいぶ嫌になってきています。「avr-gcc コマンドが見つかりません」のエラーメッセージでググってもろくな情報が出てこないあたり腹が立ってきます。腹も減ってきて思考力が落ちているので無意味にMSYS2の再インストールを繰り返しますが当然解決しません。ショート箇所をほったらかしてヒューズばっかり換えてるようなものなので当たり前のことではあるんですが…
もう一度落ち着いてmsys2_install.shを走らせていると、妙な箇所を発見しました。zipファイルの形で落とされてきたavr-gccが解凍されてないようなのです。まさかとは思うがデフォルトでzipを解凍できないのでは…?と思い立ち、そっちから調べるとドンピシャのようで。
toshiya.org
こちらを参考にn度目の正直でMSYS2を入れなおします。一旦シェルを再起動するところまで行ったら次のコマンドを実行。
$ pacman Su
$ pacman -S unzip
これでzipファイルが解凍できるようになったはずなので、改めて…
$ ./util/msys2_install.sh
おや?流れていくメッセージがさっきまでと微妙に違います。うまくいったようです。半分祈りながらビルドコマンドを実行するすると…長かった…長かったよ……
4.ファームウェアの書き込み
紆余曲折を経ましたが、ともかくこれで正常にビルドできることは確認できたので、いよいよBlocKeyのPro Microにファームウェアを焼きます。まず完成しているBlocKeyを今一度入念に点検し、ショートやハンダブリッジ等の異常がないか調べましょう。異常がなければUSBケーブルでパソコンと接続し、Pro Microとして認識されるかチェックします。BlocKeyの方はPro Micro上の赤いパイロットランプが点灯すればひとまずよしとしていいでしょう。
さあ、いよいよファームウェアを書き込みます。パソコンとBlocKeyは接続したまま、MSYS2を開いてQMK Firmwareを展開したディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。
$ make blockey:default:avrdude
先ほどのビルド時と同じようなメッセージが流れたあとに、
Detecting USB port, reset your controller now...........
とピリオドが無限に出力され始めますので、すかさずBlocKey本体裏のリセットボタンを押して書き込みます。全てがつつがなく終われば、それまでPro Microとして認識されていた物体がBlockeyとして認識されなおします。お疲れ様でした。これでBlocKeyは晴れてキーボードとしての役目を獲得しました。
i did it
— 繰り返しスーパー真水に漬けた他人のスマホのデータ全部消すほんてんラーメン【閲覧注意】スッポンのペニス (@cipher_413) 2020年4月20日
— 繰り返しスーパー真水に漬けた他人のスマホのデータ全部消すほんてんラーメン【閲覧注意】スッポンのペニス (@cipher_413) 2020年4月20日
テンションが上がってBlocKeyからツイートしてますね。ここまで来れば後はケースを組み立てたりキーキャップをはめたりすれば完成です。
ここまでBlocKeyを作ってきたわけですが、自作キーボード初心者には(主にソフトウェア面で)ちょっとハードルが高かったですね。表面実装ダイオードのせいでハードの組み立てが難しいと書いている記事もありますが、ランドも広くとられていて特にハンダ付けが難しいという印象もなかったです。それよりもavr-gccで大コケした印象のほうが強いですね。もっとも環境構築はもう終わったのでこれからキーボードをつくる時は格段に楽になるわけですが。今回ぼくが言いたいのは一つだけです。ピンセットには金をかけろ!以上!
超小型キーボードBlocKeyをつくる・ハードウェア編
ちぺらです。
巷では自作キーボードが静かなるブームを迎えているようですね。Twitterを眺めてても沼にハマった方々の作例がちょくちょく流れてきます。気になって「キーボード 自作」とかでググってみるわけですが、そこで衝撃的なものを発見してしまうわけです。
ちっせえな!?
BOOTHの紹介文曰く、これは「次世代のファッションアイテム型キーボード」だそうですよ。いやはや。
こういうものにはすぐに飛びついてしまう困った性格の持ち主なので、半年ほど悩んだ挙句に外出自粛を言い訳にしてポチりました。
買ったのはスカイです。透明感のある青がキレイです。
堪え性がないので、届いたら即開封して内容物の確認。
左からキーキャップ、タクトスイッチ、その下にリセット用表面実装タクトスイッチ、中央上でくるっと巻いてるのがチップダイオード、その中にLEDテープ、あとは基板とケースとPro Micro(Arduino互換機)の入ったESD袋ですね。特に欠品はないようなので製作に移りましょう。大筋は同封されているQRコードから飛べるビルドガイドに沿って組み上げていきます。
ただこのビルドガイドは結構ざっくりしているので、特に経験のない方だとこれだけで一発動作させるのは難しいと思います。というわけでこのガイドに補足していく形で書き進めていきます。
まずチップダイオードを取り付けます。基板裏(シルク印刷が白黒になってる方)に52個、表(ほぼ真っ白な方)に10個、だと思います。ざっくり数えたので間違ってたらすみません。基本的にはビルドガイドにもあるようにシルク印刷のコの字型にダイオードの線を合わせるように取り付けますが、裏は一部コの字型が印刷されていない箇所があります。その場合も周囲のダイオードと同じ向きでハンダ付けすればOKです。というか裏のダイオードの向きは全部同じです。
ここで表面実装部品のハンダ付けは初めてだという方のために手順を軽く説明しておきますと、ダイオードのように二極の部品は片方のランドに予備ハンダしておいて固定してから二つ目のランドにハンダ付けするのが手早くできて良いと思います。
少々細かい作業ですのでφ0.8程度の細めのハンダがあればよいですが、なければ普通の電子工作用ハンダを机の端で切れるまでしごいて細くしたものでも構いません。ただし精度のいいピンセットはマストです。10連一回分ぐらいはピンセットに課金しましょう。良いピンセットがあるとないとでは作業性が全然違いますし、一本持っておけば長く使えるのでここらへんで一丁買っておくと後々役に立つことうけあいです。いいですか、ラジオペンチとかどうでもいいんでピンセットだけはいいのを買いましょう。
次はピンヘッダを取り付けます。ピンの長短はどっちでも構いません。裏から挿入して表でハンダ付けしますが、基板表面からピンの足が少しでも出ているとタクトスイッチがはまらなくなるので基板とツライチになるように予め足をカットします。ハンダ付けしてから切っていたのではまず無理なので必ずハンダ付けする前にカットしてください。
リセットスイッチは普通にポン付けするだけです。特に説明は不要でしょう。
さて、次はメインイベントともいえるタクトスイッチの実装です。100個くらいありますが既に60個以上チップダイオードを実装した皆さんなら余裕でしょう。キットには数色のタクトスイッチが同梱されていますので(選んだ色によってスイッチの色も違うようです)、まずは基板にはめてみてどこにどの色を持ってくるかを決めます。
こちらの記事にキーマップの資料があるので参考にするとよいでしょう。ファンクションキーに違う色を割り当てたり、ホームポジションだけ色を変えたり、考え方は人それぞれです。ちなみにぼくの案はこちら。
配置が決まったらハンダ付けするわけですが、今回もピンヘッダの間、Pro Microが入るところはできるだけ基板とツライチになるように足をカットしてから取り付けます。
次はPro Microを取り付けます。なんとなく分かると思いますが、裏返しにして基板の切り欠き側にMicroUSBポートがくるようにします。心配性な方はカプトンテープなんかで基板と絶縁してから取り付けると安心できると思います。ぼくは何もなしで見切り発車しました。
ここもハンダ付けする前に飛び出たピンヘッダをカットしておかないと裏蓋が閉まりません。ぼくはこうして地獄を見ました。
最後にLEDテープを取り付けます。これはオタク向けキーボードなので当然光ります。光らせたくない方は取り付けなくても問題ないはずです。
付属のリード線で写真のように配線しましょう。LEDテープ側の端子にあまり長い間コテを当てると白いフィルムが溶けてくるので手早く作業してください。
これで基板は完成です。このままケースに組み込んでもいいですが、バラックのままファームウェアを焼いて動作確認までやっておいた方が後々泣きを見なくて済むと思います。というわけで後編・ソフトウェア編に続く。