超小型キーボードBlocKeyをつくる・ハードウェア編

 ちぺらです。

 巷では自作キーボードが静かなるブームを迎えているようですね。Twitterを眺めてても沼にハマった方々の作例がちょくちょく流れてきます。気になって「キーボード 自作」とかでググってみるわけですが、そこで衝撃的なものを発見してしまうわけです。

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ゆかりキーボードファクトリー様のBOOTHより

ちっせえな!?

BOOTHの紹介文曰く、これは「次世代のファッションアイテム型キーボード」だそうですよ。いやはや。

 こういうものにはすぐに飛びついてしまう困った性格の持ち主なので、半年ほど悩んだ挙句に外出自粛を言い訳にしてポチりました。

booth.pm

買ったのはスカイです。透明感のある青がキレイです。

 堪え性がないので、届いたら即開封して内容物の確認。

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左からキーキャップ、タクトスイッチ、その下にリセット用表面実装タクトスイッチ、中央上でくるっと巻いてるのがチップダイオード、その中にLEDテープ、あとは基板とケースとPro Micro(Arduino互換機)の入ったESD袋ですね。特に欠品はないようなので製作に移りましょう。大筋は同封されているQRコードから飛べるビルドガイドに沿って組み上げていきます。

eucalyn.hatenadiary.jp

ただこのビルドガイドは結構ざっくりしているので、特に経験のない方だとこれだけで一発動作させるのは難しいと思います。というわけでこのガイドに補足していく形で書き進めていきます。

 まずチップダイオードを取り付けます。基板裏(シルク印刷が白黒になってる方)に52個、表(ほぼ真っ白な方)に10個、だと思います。ざっくり数えたので間違ってたらすみません。基本的にはビルドガイドにもあるようにシルク印刷のコの字型にダイオードの線を合わせるように取り付けますが、裏は一部コの字型が印刷されていない箇所があります。その場合も周囲のダイオードと同じ向きでハンダ付けすればOKです。というか裏のダイオードの向きは全部同じです。

 ここで表面実装部品のハンダ付けは初めてだという方のために手順を軽く説明しておきますと、ダイオードのように二極の部品は片方のランドに予備ハンダしておいて固定してから二つ目のランドにハンダ付けするのが手早くできて良いと思います。

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D1に注目。右のランドに予備ハンダします。左利きの人は逆にしてください

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ピンセットで部品を固定しながら右のランドをハンダ付けします。溶かしたランドに左から滑り込ませるようにするとよいかも

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左側をハンダ付けして完成です。これはちょっとハンダ量過多

少々細かい作業ですのでφ0.8程度の細めのハンダがあればよいですが、なければ普通の電子工作用ハンダを机の端で切れるまでしごいて細くしたものでも構いません。ただし精度のいいピンセットはマストです。10連一回分ぐらいはピンセットに課金しましょう。良いピンセットがあるとないとでは作業性が全然違いますし、一本持っておけば長く使えるのでここらへんで一丁買っておくと後々役に立つことうけあいです。いいですか、ラジオペンチとかどうでもいいんでピンセットだけはいいのを買いましょう。
 次はピンヘッダを取り付けます。ピンの長短はどっちでも構いません。裏から挿入して表でハンダ付けしますが、基板表面からピンの足が少しでも出ているとタクトスイッチがはまらなくなるので基板とツライチになるように予め足をカットします。ハンダ付けしてから切っていたのではまず無理なので必ずハンダ付けする前にカットしてください。

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これでもちょっと出すぎ

 リセットスイッチは普通にポン付けするだけです。特に説明は不要でしょう。

 さて、次はメインイベントともいえるタクトスイッチの実装です。100個くらいありますが既に60個以上チップダイオードを実装した皆さんなら余裕でしょう。キットには数色のタクトスイッチが同梱されていますので(選んだ色によってスイッチの色も違うようです)、まずは基板にはめてみてどこにどの色を持ってくるかを決めます。

artificialarts.hatenablog.com

こちらの記事にキーマップの資料があるので参考にするとよいでしょう。ファンクションキーに違う色を割り当てたり、ホームポジションだけ色を変えたり、考え方は人それぞれです。ちなみにぼくの案はこちら。

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赤はスペースバーじゃなくてFとJにすればよかった……

配置が決まったらハンダ付けするわけですが、今回もピンヘッダの間、Pro Microが入るところはできるだけ基板とツライチになるように足をカットしてから取り付けます。

 次はPro Microを取り付けます。なんとなく分かると思いますが、裏返しにして基板の切り欠き側にMicroUSBポートがくるようにします。心配性な方はカプトンテープなんかで基板と絶縁してから取り付けると安心できると思います。ぼくは何もなしで見切り発車しました。

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ハンダ付けする前に足は切りましょう(写真は失敗例)

ここもハンダ付けする前に飛び出たピンヘッダをカットしておかないと裏蓋が閉まりません。ぼくはこうして地獄を見ました。

 最後にLEDテープを取り付けます。これはオタク向けキーボードなので当然光ります。光らせたくない方は取り付けなくても問題ないはずです。

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ピン配置はこちら

付属のリード線で写真のように配線しましょう。LEDテープ側の端子にあまり長い間コテを当てると白いフィルムが溶けてくるので手早く作業してください。

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もうちょっと短くてもよかったかもしれない

 これで基板は完成です。このままケースに組み込んでもいいですが、バラックのままファームウェアを焼いて動作確認までやっておいた方が後々泣きを見なくて済むと思います。というわけで後編・ソフトウェア編に続く。