18きっぱー向け財布兼切符ホルダ

 ちぺらです。例によって革いじり日記となります。

 今回作っていくのは長財布……のようなもの。青春18きっぷをさっと見せられて、なおかつカードや小銭も入るものがご希望だそうです。あまり何もかもくっつけてしまうと法外な分厚さになってしまうので、今回はいかに薄くつくるかがカギになってきそうです。

 まず、かぶせ側に18きっぷホルダは必須ですね。そしてメインポケット部は通しマチをご希望でしたが、通しマチは謎の苦手意識があるので、今回はとりあえず革を重ねて分厚いマチを作り、駒合わせ縫いで攻めようと思います。そしてメインポケットの前に財布のごとくカードポケットを付け……と考えていくと、小銭入れの場所がなくなってしまいました。困った。

 そこで、背面にファスナーで開閉する小銭入れをつけることにしました。よくフラグメントケースとかミニ財布とかについてるやつです。とはいっても文章だけでつらつら書いていてもイメージが湧かないとおもうので、まずは完成品を見ていただきましょう。

こんなふうに開く

ご覧のように、内装には布を使うことにしました。実はレザクラで布を使うのは初めてだったりします。

完成品

  では作り始めます。まずは簡単に作れそうなカードポケットから攻めていきます。長財布系は何度も作ってるのでちょろいもんです。……と余裕ぶっこいていると型紙のミスが発覚。急遽カード段を一段追加しました。気のゆるみはよくないですね、ヨシ! 

カードポケットの深さをチェック

 さて問題の小銭入れですが、型紙の段階では漠然としたイメージしか湧かなかったので、パワーだけで作っていくことにしました。

なんもわからんので直にケガく(よい子はマネしないでね!)

一応、事前にデパート等を回って、この手の小銭入れの構造を調査してはいるんです(迷惑客)。ただ、思った以上に製品ごとの構造の差が激しく、細かいところは作ってみないと分からないというのが正直なところ。

ファスナーと小銭入れの下半分を接着して縫製

小銭入れの内装(青い部分)にはシャンタンを使っています。このシャンタンというのがよくわからん生地で、普通に検索すると味覇の親戚みたいなアレしか出てこないので、結局どんな布なのかわかってません。ただ、ライターで炙っても燃えるだけで溶けないのでたぶん天然繊維。あとは上端とマチをぐるっと縫製して、なんとか形になりました。

 小銭入れをクリアすればあとは難しいことはないはずです。別に作っておいたマチを接着し、外周をぐるりと縫えば完成。

全体像が見えてくる瞬間

かぶせ側の大きく切り欠いてあるポケットに18きっぷが、その左側には普通のサイズの切符がちょうど収まるようになっています。今にして思えば、ノーマル切符用ポケットに穴をあけておけばよかったなと思わないでもない。

できたてほやほや

背面

 前に買った茶色のビニモ糸がだいぶ少なくなってきたことですし、そろそろ糸のカラバリ増加も兼ねて仕入れたいとこですね。あと今回もコバは焦げ茶の蜜蝋仕上げですが、何度も縫製とコバの焼き締めを往復するのが大変だったので、コバの化学仕上げ剤を検討する時期が来てるかもしれないです。いずれにせよ、今回最大の懸案だった小銭入れがうまく仕上がったので満足満足。