カードケースを作る

 ちぺらです。今回もまたフォロワーに脅されたので(前回とは別人です)カードケースを作ります。

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完成品

 「クレジットカードサイズが10枚程度、名刺は入らなくてよい、できるだけ薄く、小さく」というオーダーを貰ったので、横幅をカードが入るぎりぎりまで詰め、カードポケットの出っ張りも実用上問題ない範囲でできるだけ削ったデザインで型紙を起こします。今思えば横幅はあと1mmぐらい削っても支障なかったかもしれない。

 また、「できるだけ薄く」を実現するため、0.8mm程度まで漉いた革にこれまた薄い豚革を貼り合わせ、強度を保ったまま革の厚みを減らします。

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豚革で裏打ち

というのも、革というのは銀面付近の0.4mm程度の部分が最も強度があり、そこから下は大して強度に影響しないという性質があるのです。というわけで、余計なところを削り取って銀面どうしを貼り合わせることで薄くて強い革になるというわけです。あとついでに毛羽立った床面が見えなくなるので高級感がアップ(個人の感想です)

 そうそう、革ですが、発注者たっての希望でイタリアはValdarno製のトスカーナを使用しています。なんでもこの青がイメージに一番近いらしく… 皆さん、青好きを公言する人に正常な人間はいません。やつらは少しでもイメージと違う青を提示されると発狂するので気をつけましょう。

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内部

 形としてはごくごく一般的な通しマチ名刺入れの構造を踏襲しています(ただし前述のように横幅を削り込んでいるので名刺は入らない)。メインポケットに5~6枚、カード段に2枚、かぶせ側ポケットに2枚のカードを入れて厚みは最大16~17mmといったところでしょうか。総裏張りかつ力のかかる部分は返し縫いをし、コバも蜜蝋で仕上げているので永く愛用していただけると思います。